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脳下垂体 前葉

脳下垂体前葉のホルモンは、視床下部から「放出されるホルモン」とその「放出を抑制するホルモン」の2種類のホルモンで調整がされているのです。脳下垂体前葉から放出されるホルモンは、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど多種多様です。脳下垂体前葉はこれら多くのホルモンを放出している内分泌腺なのです。内分泌腺とは、消化腺と異なり、導管を使わずに血液を介して全身に運ぶ器官のことです。脳下垂体前葉の中には、血液が常に流れ込んでいる状態にあり、この血液に乗って全身でと旅立つ仕組みになっています。


刺激ホルモンの多くは脳下垂体前葉に含まれています。どこを刺激するホルモンかというと、甲状腺をはじめ、副腎皮質や生殖腺まで様々な場所を刺激します。その刺激ホルモン自体には、特定の場所を刺激するはたらきしかないので、甲状腺刺激ホルモンが生殖腺を刺激したりはしない仕組みになっています。なぜなら、脳下垂体前葉から放出される刺激ホルモンとその刺激を受容器官には「鍵と鍵穴」の関係にあるからなのです。つまり、鍵を開けることができるのは1つしかないのと同じなのです。実に精密な仕組みが脳下垂体前葉をはじめ全身には備わっているのです。


例えば、マウスの脳下垂体前葉を除去したとしましょう。すると、甲状腺・副腎・生殖腺が除去する前と比べて脳下垂体は小さくなってしまいます。従って、ホルモン分泌量も非常に少なくなります。この実験によっても副腎などが脳下垂体の前葉が分泌する刺激ホルモンに依存しているこがわかります。この刺激ホルモンは脳下垂体前葉で作られるホルモンと、神経分泌細胞で作られるホルモンがあるのです。神経分泌細胞とは視床下部にあります。その神経分泌細胞体でつくられた分泌物質が軸索を通って脳下垂体前葉に流れ込む動脈の血流と合流します。


甲状腺から分泌されるホルモンを甲状腺ホルモン(高校生の教科書ではチロキシンと載っています)を言います。このホルモンは細胞の化学反応を促進させるホルモンであり、新陳代謝を促進しているのです。このホルモンは脳下垂体前葉の支配を受けていて、さらに脳下垂体前葉は視床下部の支配を受けているのです。視床下部が甲状腺ホルモンが放出されすぎと判断した場合、脳下垂体前葉に甲状腺を刺激しないように命令が出され、それを受けて脳下垂体前葉は甲状腺を刺激しなくなり、結果、甲状腺から甲状腺ホルモンが放出されなくなる、仕組みをとっているのです。

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